電気主任技術者(通称:電験)三種を実際に受験し、乗り越えてわかったことを書いていきますので、これから電験三種を受ける人の参考になれば幸いです。
以下、
「電験三種って合格率10%切ってるみたいだけど、そんなに難しいの??ヤバくね???」
って人に、電験三種の低い合格率のカラクリをお話しします。
「電験三種の合格率は10%程度」って言葉にビビってしまっている人は、ぜひ読み進めてみてください<(_ _)>。
最初に申し上げると、合格率10%は幻想です。
アホな理由がたくさんありますので、「合格率10%」って言葉に振り回されないでください。
最後まで読み終われば「合格率10%以下って言うけど、そう言うことね( ´∀` )。なんだ、言うほど難しくなさそうじゃん( ´∀` )」ってなると思いますので、ぜひ最後までご覧になってくださいね<(_ _)>。
(実際に私がそう思いました。)
*ラクに合格できる!という意味ではありません。
では、まいりましょう。
電験三種の合格率が低い”バカげた”理由6つ
電験三種の合格率が10%程度と低い理由は、全部で6つほどあります。
実にバカげた理由で、「合格率10%」が戯言だと思っていただけると思います。
- 「3か年計画」勢が多い
- 受験生の1割は受験すらしない
- 高校数学、物理(初等力学)が怪しい人が多く受験する
- 時間の無い社会人が受けることが多い
- 元受験ガチ勢、超高学歴はあまり受けない
- 過去問とそっくりな問題があまり出ない
ひとつずつ深めていきましょう。
「3か年計画」勢が多い
電験三種は科目合格制度があります(理論、機械、電力、法規の4科目に受かって、合格となります)。
簡単に言うと、「理論」を合格したら3年間は”合格状態”を引き継いで受験ができます。
つまり、3年間のうちに4科目を合格すればOKということになります。
つまり、最初から1回で4科目合格を狙っていない人が多いです。
3~4回は不合格になることを織り込んで受験している人が多いので、試験1回あたりの合格率が低いのは当然です。
後述しますが、勉強時間の少ない社会人は科目合格制度を活用する気満々です。
電験ホルダーに話を聞くと、「3回で合格しました!」とかザラにいますよ( ´∀` )。
そんな人が多いので、そりゃ1回あたりの合格率なんて上がりっこないですよね( ´∀` )。
受験生の1割は受験すらしない
これは受験申込者と当日受験者のデータをググればわかります。
1割の受験生は試験会場にすら来ないそうです。
「わざわざお金を支払っているのに、真面目にやらない人っているのかな?もったいない・・・。」と思っていましたが、実際に受験会場に出向いたら結構いました。
試験会場で、1科目が終わり
「あ~。試験の手応えないな~。落ちたら面談で怒られるな~ww。マジやってらんね~www帰るか~www」
と言ってマジで帰っている人がいましたので、職場で半強制的に受けさせられていたのでしょう。
強制イベントじゃ、やる気が出ないのもわかります。
やる気がないので試験勉強なんかしない、受験日程すら把握していない、受験会場に来ても受かる気ゼロ・・・なんて人がたくさん居ました。
試験を受けに来ない人達、強制受験勢が一定数居ると考えると、「電験三種の合格率が10%は正しくなさそうだな」って思えますよ( ´∀` )。
高校数学、物理(初等力学)が怪しい人が多く受験する
電験三種の過去問の解説を読むとわかりますが、三角関数・ベクトル・複素数など、高校数学を使います。
つまり、高校で扱う知識がわからないと解説が理解できないです。
(無論、実際の試験で問題は解けないでしょう)
電験三種は電気系の資格ではあるものの、電気知識以外の下地が必須です。
高校レベルの理数科目をないがしろにしたら、勉強のスピードは上がらず、合格するのに時間がかかるのは当然です。
ネットで「苦労して電験三種に合格した話」を発信している人を見かけますが、時間のかかった人は 高校レベルの数学が怪しい人です。
逆に、電気分野でどのように数学が使われているかを先に勉強しておけば結果的に効率よく合格できます。
YouTube動画👇
私は古いバージョンを使いましたが、皆様はぜひ新しい本を使いましょう👇。
高校数学や物理がおぼつかない・・・。
ネットで言われている「電験三種の受験生は、総じて学力レベルが低い」の正体はこれです。
「電験三種以前に高校数学から学び直さないといけないんじゃ、そりゃ時間かかるよね・・・」って理屈です。
「理論」「電力」「機械」「法規」の内容以前につまずく人が大勢いたら、合格率なんて上がるわけがありません。
時間の無い社会人が受けることが多い
電験三種を受験する人の3~4割は社会人です。
多くの社会人は学生よりヒマな時間は少なく、勉強に割く時間は必然的に少なくなります。
つまり、「勉強時間が確保しにくい受験生」が3~4割居るってことです。
先ほど申し上げた「やる気のない勢」も加えると、受験生の4割(下手したら半分近く)は「そもそも受かりにくい状態」でテストに挑んでいます。
こりゃ、合格率は下がりますよね( ´∀` )。
元受験ガチ勢、超高学歴はあまり受けない
電験三種は受験界隈の強者が受けに来ない試験です。
有名大学・難関大学に行っている人、卒業生は受験勉強ガチ勢です。
これまでの受験で、自分に合った勉強方法を知っている人は、あれよあれよと電験三種レベルの試験はパスしてしまうでしょう。
(私の周りでも、1回~2回程度でサクッと受かっちゃう人はだいたい受験勉強ガチ勢です。)
そんな受験ガチ勢の大半は、まず電験三種を取ろうとしません。
大体の人は外資系、開発、コンサル、国家公務員・・・など電気系の仕事をしない人が大半だからです。
電気系の国家資格を受ける人の中に、受験ガチ勢はあまりいないことからも明らかでしょう(ググればデータあり。)。
電験三種をわざわざ受ける「受験勉強ガチ勢」は、大学で電気・電子系を専攻した人くらいでしょう。
そういう人たちに限り、「数か月の勉強で4科目1発合格」という眩しい快挙を成し遂げます。
(私を含め、👆大抵の人にはできないことです)
良い子はマネしちゃいけませんし、できないでしょう(笑)。
しかし、受験ガチ勢が電験三種試験に参入していない現状には感謝すべきです。
ガチ勢がガンガン合格しちゃうと、電験三種のテストを作っている運営側が
「あれ?今回は合格者多いな~。じゃあ もっと難しくして難易度調節しないといけないな。次回は難しくしちゃおう。」
みたいなことが起こるからです。
(一般的に、受験ガチ勢が試験の攻略法を発見し、一般人に拡散・浸透するから試験は難化します)
繰り返しになりますが、電験三種はサクッと合格できる人が受けに来ない試験です( ´∀` )。
合格率をグッと上げる人達が受けに来ないと言い換えても良いでしょう。
私には、ありがたい事実でした(笑)。
過去問とそっくりな問題があまり出ない
これは6つの中で一番まともな理由です。
私は10年分以上過去問を解きましたが、超大まかな傾向すら掴めませんでした。
マジで毎回出る単元とかありませんでした(´;ω;`)。
「こりゃ、電気の本質を理解して初見の問題を迎え撃つしかない!!」と思ったのを覚えています( ´∀` )。
(その経験もあり、まずはじめに電検の数学を学ぶことが合格への最短ルートだと確信しています)
ただ、電験三種の合格には過去問は必須です。
実際の試験時間で問題を解いてみて、時間内に7割は取れることを確認する必要があるからです。
過去問演習をやらないと
- 時間内に全問を回答することは凄く難しいので、全問解答は諦める
- 実際の試験で取り組むべき問題、捨てる問題を見極める嗅覚が必要
を本番で再現できないため、合格は ほぼ無理ゲーになります。
電験三種を合格したい人は、3000円くらい出して、過去問10年分を買っておきましょう👇。
【体験談】電験三種にテクニックは必要ないです
電験三種にテクニックは必要ありません。
もっと正確に言うと、テクニックが存在しません。
電験三種に要求されるのは「電気のことを理解している」に他なりません。
受験や資格試験界隈でよく見られる「~って問題が出る傾向があるから重点的に・・・」が通用しない印象です。
それゆえに、勉強が苦手な人や勉強の習慣が無い人には合格が難しいのでしょう。
私は現在、電気設計エンジニアとして働いていますので、電気系の知識を積み上げやすかったです。
電気系の知識を毎日浴び続け、たくさん調べ、たくさん理解していたので電験三種の対策もやりやすかったです。
逆に電気系じゃない人は、勉強は難しいと思います・・・。
冒頭で申し上げた「ラクに合格できるわけではない」ってそう言うことです。
色々なことが裏で絡み合っています。
合格率10%は低過ぎるとは思いますが、着実に勉強を積み上げないとダメな試験ですので、オーソドックスに頑張りましょう。
本記事は以上です。
最後にポイントをまとめます。
電験三種の合格率を下げている原因
- 「3か年計画」勢が多い
- 受験生の1割は試験会場にすら来ない
- 高校数学、物理(初等力学)が怪しい人が多く受験する
- 時間の無い社会人が受けることが多い
- 元受験ガチ勢、超高学歴はあまり受けにこない
- 過去問とそっくりな問題があまり出ないのでテクニックが通用しない
今日はこの辺で。