「働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない」——この副題を見たとき、少し驚きました。
「そんな生き方ってアリなの?」と。
私も社会人の端くれなので、そんな生き方が少数派であることは承知しています。
ゆえに、読み始めちゃいましたww。
でも、読んでみると不思議と納得できて、むしろ「こういう考え方がもっと広まってもいいのでは」と思うようになりました。
著者のpha(ファ)氏は、京都大学を卒業後、会社勤めを経て28歳で退職。
その後はニート生活を送りながら、シェアハウスの運営や執筆活動などを通じて、独自のライフスタイルを築かれました。
この本は、そんなpha氏が「こうしなきゃいけない」という社会のルールに疲れた人たちに向けて書いた、やさしくて力強い一冊です。
「普通」って、誰が決めた?
「なんでみんなそんなにしんどそうなんだろう」という問いかけで始まります。
就職、結婚、マイホーム、子育て——いわゆる「幸せのテンプレート」に沿って生きることが、なぜか当然のように求められる現代。
でも、それって本当に自分にとっての幸せなのでしょうか?
私自身も、「みんながやっているから」という理由で頑張った事もありましたが、どこかで「これって本当に自分の望んでいることか?」と疑問を感じていました。
この本を読んで、「その違和感は間違っていなかったな」と思えたことが、とても大きな気づきでした。
暇を恐れなくていい
本書の中で特に印象に残ったのは、「暇を恐れなくていい」というメッセージです。
現代人は、予定が詰まっていないと不安になったり、何かしていないと「時間を無駄にしている」と感じたりしがちです。
それでもpha氏は、「暇こそが人生を豊かにする余白だ」と語ります。
「仕事は暇つぶしの手段のひとつにすぎない」という言葉には、思わず笑ってしまいましたが、同時に深く納得しました。
仕事が人生のすべてではなく、読書や散歩、将棋や園芸といった「お金にならないけれど心が満たされること」にこそ、本当の豊かさがあるのだと私に教えてくれました。
仕事なんかで消耗するのではなく、ゲームで心を満たしたいものですw。
居場所は、自分で作っていい
pha氏は、シェアハウスを運営しながら、ゆるやかなつながりの中で暮らしています。
家族や会社といった既存の枠組みに頼らず、自分に合ったコミュニティを自分で作る——それは、孤独を恐れず、自分の価値観を信じる勇気があってこそできることです。
今はSNSやオンラインでつながれる時代ですから、物理的な距離に縛られず、自分と価値観の合う人と出会うことができます。
「どこに属するか」ではなく、「誰とどうつながるか」が大切なのだと気づかされました。
まあ、会社員なら、「どこに属するか」も大切ですが(福利厚生やもらえるボーナスとかで差がつくので)。
「持たない」ことは、前向きな選択だ
タイトルだけを見ると、「持たない=諦める」という印象を受けるかもしれません。
でも実際はその逆で、「本当に必要なものだけを選び取る」という、前向きな生き方なのです。
激しく共感ですw。
物を持たない、人間関係を持たない、責任を持たない——と聞くと、無責任この上ないと感じるかもしれませんが、「こういう生き方もあるよ」と実例を交えて教えてくれます。
だからこそ、読んでいて嫌な気持ちにならず、むしろ「自分もこんなふうに生きてみたい」と思えるのです。
まあ、この方 ニートなんですけどね・・・。
こんな方におススメ
- 「普通の生き方」にモヤモヤしている
- 仕事や人間関係に疲れている
- 自由に生きたいけれど、どうしたらいいかわからない
- ミニマリズムやシンプルライフに興味がある
この本は、そんな人の背中をそっと押してくれるんじゃないかと思います。
(要するに弱者~中間層あたりの人たちですかねww)
読んでいるうちに、心がふわっと軽くなって、「もっと自分らしく生きていいんだ」と思えるようになりますよ。
私は「真面目過ぎてもしょうがないな」と再認識できました。
『持たない幸福論』は、多様な生き方ができる今の時代にこそ読みたい一冊だと思います。
派手な主張はありませんが、その分リアルで、じんわりと心に染みてきます。
読み終えたとき、「なんだかちょっと、生きるのが楽になったかも」と思える本です。
何者にも慣れていない諸君、もし今「このままでいいのかな」と感じているなら、ぜひ手に取ってみてください。
きっと、あなたの中の何かが変わり始めるはずw。